2025年12月8日(日本時間)から行われたウインターミーティング。
12月10日(同)には、2026年MLBドラフトの指名順位が決まるロッタリー抽選が行われ、1〜6位の指名順が正式に確定しました。
今年は、本来最下位のロッキーズが抽選対象外になるという異例の状況もあり、さらに低確率だったレイズが2位を引き当てるなど、昨年とはまた違う動きが目立ちました。
この記事では、ロッタリー抽選とは、ロッタリー結果(1〜6位)を踏まえて、指名順40番目までの一覧表を読みやすく整理してまとめました。
2025年 MLB 最終順位
まずは、2025年シーズンの順位を勝率下位順にならべました。
この順位が、2026年ドラフト・ロッタリーの基準になります。
*ポストシーズン進出チームは(リーグ順位)記載
| 2025勝率下位順 | チーム | 勝敗 |
|---|---|---|
| 1位 | ロッキーズ | 43–119 |
| 2位 | Wソックス | 60-102 |
| 3位 | ナショナルズ | 66-96 |
| 4位 | ツインズ | 70-92 |
| 5位 | パイレーツ | 71-91 |
| 6位 | エンゼルス | 72-90 |
| 7位 | オリオールズ | 75-87 |
| 8位 | ブレーブス | 76-86 |
| 9位 | アスレチックス | 76-86 |
| 10位 | レイズ | 77-85 |
| 11位 | カージナルス | 78-84 |
| 12位 | マーリンズ | 79-83 |
| 13位 | Dバックス | 80-82 |
| 14位 | レンジャース | 81-81 |
| 15位 | ジャイアンツ | 81-81 |
| 16位 | ロイヤルズ | 82-80 |
| 17位 | レッズ(NL6) | 83-79 |
| 18位 | メッツ | 83-79 |
| 19位 | タイガース(AL6) | 87-75 |
| 20位 | アストロズ | 87-75 |
| 21位 | ガーディアンズ(AL3) | 88-74 |
| 22位 | Rソックス(AL5) | 89-73 |
| 23位 | パドレス(NL5) | 90-72 |
| 24位 | マリナーズ(AL2) | 90–72 |
| 25位 | カブス(NL4) | 92–70 |
| 26位 | ドジャース(NL3) | 93–69 |
| 27位 | ヤンキース(AL4) | 94-68 |
| 28位 | ブルージェイズ(AL1) | 94–68 |
| 29位 | フィリーズ(NL2) | 96-66 |
| 30位 | ブリュワーズ(NL1) | 97-65 |
※勝率が同じチームは、前年シーズンの勝率が低い方が上位になります。
それでも決まらない場合は、過去3年・5年の勝率平均で比較し、最終的には抽選(コイントス)で順位が決まります。
MLBドラフトでは「直近の成績がより低いチームが優先される」仕組みが取られています。
MLBドラフト・ロッタリーとは
MLBドラフトの1〜6位は「ロッタリー抽選」で決まります。
抽選の対象になるのは、 2025年ポストシーズン進出のア・リーグ・ナ・リーグ各6チームを除く18チーム ですが、すべての球団がそのまま抽選に入れるわけではありません。
ロッタリーには “参加できなくなる条件” があり、次のどれかに当てはまると、成績が悪くても抽選から除外されます。
今年のロッタリーには、ロッキーズ、ナショナルズ、エンゼルスが対象外となりました。
【ロッタリーから除外される条件】
➀ 過去2年以内にロッタリーで上位指名を得ている(連続当選の制限)
→ MLBでは、3年連続でロッタリーによる上位指名を得ることは禁止されています。
そのため、過去2年以内にロッタリーで上位指名(1位など)を獲得している球団は、たとえ成績が最下位でも、翌年のロッタリー抽選には参加できません。
これが、ロッキーズが2026年ロッタリーの対象外となった理由です。
② レベニューシェアの支払い側(ペイヤー)の球団
→MLBでは、球団ごとの収入格差を小さくするため、収入の多い球団が一部を拠出し、収入の少ない球団に分配する制度を「レベニューシェア」と呼びます。
この拠出側の球団は、ペイヤー(支払う側)とされ、翌年のドラフト・ロッタリーには参加できません。
これは、「お金のある球団が、意図的に弱くなって上位指名を狙う」ことを防ぐためのルールです。
このため、ナショナルズ、エンゼルスなどは、成績が下位でも ロッタリー抽選そのものに参加できませんでした。
贅沢税(CBT)ペナルティによる指名順位への影響
※これは「抽選不可」ではなく、指名順位が後ろにずれるルールです
贅沢税(CBT:Competitive Balance Tax)は、選手年俸の総額が一定の基準を超えた球団に課される制度です。
超過額に応じて段階(Tier)が分かれており、段階ごとにペナルティ内容が異なります。
第1段階(Tier I)
年俸総額が基準額をわずかに超えた場合に該当します。
この段階では、金銭的なペナルティのみが課され、ドラフトの指名順位には影響しません。
第2段階(Tier II)
年俸総額が基準額を大きく超えた場合に該当します。
第2段階では、金銭的なペナルティに加えて、ドラフト指名順位に関するペナルティが発生します。
このペナルティは、ロッタリー制度の対象から除外されるものではありません。
ただし、ロッタリーで上位指名権(当選枠)を獲得できなかった場合、1巡目指名権が10位後ろに下がるという調整が行われます。
メッツはロッタリー対象球団でしたが、上位指名権を獲得できませんでした。
そのうえで贅沢税(CBT)第2段階に該当していたため、想定されていた全体17位の1巡目指名権は10位下がり、全体27位となりました。
【2026年ドラフト・ロッタリー結果】
| ロッタリー順位 | チーム(2025勝率順) | 抽選確率 | 抽選資格 |
|---|---|---|---|
| 1 | Wソックス | 27.73% | ✔ 抽選1位 |
| 2 | レイズ | 3.03% | ✔ 抽選2位 |
| 3 | ツインズ | 22.18% | ✔ 抽選3位 |
| 4 | ジャイアンツ | 1.01% | ✔ 抽選4位 |
| 5 | パイレーツ | 16.81% | ✔ 抽選5位 |
| 6 | ロイヤルズ | 0.84% | ✔ 抽選6位 |
| 7 | オリオールズ | 9.24% | |
| 8 | アスレチックス | 6.55% | |
| 9 | ブレーブス | 4.54% | |
| 10 | ロッキーズ | 0.00% | ❌ 対象外① |
| 11 | ナショナルズ | 0.00% | ❌ 対象外② |
| 12 | エンゼルス | 0.00% | ❌ 対象外② |
| 13 | カージナルス | 2.35% | |
| 14 | マーリンズ | 1.85% | |
| 15 | Dバックス | 1.51% | |
| 16 | レンジャーズ | 1.34% | |
| 17 | アストロズ | 0.34% |
ロッタリー対象外となった非ポストシーズンチームは、全体10位より高い順位で指名できないため、10位から12位にロッキーズ、ナショナルズ、エンゼルスが入りました。
2026年MLBドラフト指名順位
最初の指名が最も遅い、ドジャース(全体40位)までの指名順です。
| 順位 | チーム | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | Wソックス | ロッタリー抽選1位 |
| 2 | レイズ | ロッタリー抽選2位 |
| 3 | ツインズ | ロッタリー抽選3位 |
| 4 | ジャイアンツ | ロッタリー抽選4位 |
| 5 | パイレーツ | ロッタリー抽選5位 |
| 6 | ロイヤルズ | ロッタリー抽選6位 |
| 7 | オリオールズ | |
| 8 | アスレチックス | |
| 9 | ブレーブス | |
| 10 | ロッキーズ | 2年連続ロッタリー当選で 今年は抽選対象外 |
| 11 | ナショナルズ | レベニューシェア「支払側」で 今年は抽選対象外 |
| 12 | エンゼルス | レベニューシェア「支払側」で 今年は抽選対象外 |
| 13 | カージナルズ | |
| 14 | マーリンズ | |
| 15 | Dバックス | |
| 16 | レンジャーズ | |
| 17 | アストロズ | |
| 18 | レッズ | 抽選枠外の通常1巡目 |
| 19 | ガーディアンズ | 抽選枠外の通常1巡目 |
| 20 | Rソックス | 抽選枠外の通常1巡目 |
| 21 | パドレス | 抽選枠外の通常1巡目 |
| 22 | タイガース | 抽選枠外の通常1巡目 |
| 23 | カブス | 抽選枠外の通常1巡目 |
| 24 | マリナーズ | 抽選枠外の通常1巡目 |
| 25 | ブリュワーズ | 抽選枠外の通常1巡目 |
| 26 | ブレーブス | PPI指名:D.ボールドウィン (新人王)によるプロスペクト昇格インセンティブ |
| 27 | メッツ | 贅沢税ペナルティ第2段階で 1巡目が10位ダウン |
| 28 | アストロズ | PPI指名:H.ブラウンが サイ・ヤング投票3位以内 |
| 29 | ガーディアンズ | 戦力均衡ラウンドA指名権 (CB A) |
| 30 | ロイヤルズ | 戦力均衡ラウンドA指名権 (CB A) |
| 31 | ダイヤモンドバックス | 戦力均衡ラウンドA指名権 (CB A) |
| 32 | カージナルズ | 戦力均衡ラウンドA指名権 (CB A) |
| 33 | オリオールズ | 戦力均衡ラウンドA指名権 (CB A) |
| 34 | パイレーツ | 戦力均衡ラウンドA指名権 (CB A) |
| 35 | ヤンキース | 贅沢税ペナルティ第2段階で 1巡目が10位ダウン |
| 36 | フィリーズ | 贅沢税ペナルティ第2段階で 1巡目が10位ダウン |
| 37 | ロッキーズ | 戦力均衡ラウンドA指名権 (CB A) |
| 38 | ロッキーズ | 2巡目(通常の2nd round) |
| 39 | ブルージェイズ | 贅沢税ペナルティ第2段階で 1巡目が10位ダウン |
| 40 | ドジャーズ | 贅沢税ペナルティ第2段階で 1巡目が10位ダウン |
ロッタリーによって上位指名順が確定した後、18位以降の1巡目指名は、ポストシーズンの結果を基準に並べられます。
具体的には、ポストシーズンに進出したチームはどの段階まで勝ち進んだか(ワイルドカード敗退、地区シリーズ敗退など)が優先され、同じ段階のチーム同士でのみ、レギュラーシーズン成績(勝率および公式タイブレーク)が適用されます。
ドジャースは昨年に続き、今回も最初の指名が全体40位となりました。
2025年シーズンはワールドシリーズ制覇により成績順位は最上位(30位)でしたが、贅沢税(CBT)第2段階のペナルティが適用され、1巡目指名権が10位後ろに下がった結果、全体40位からの指名となっています。
また、1巡目の途中や直後には、補償ピック(プロスペクト昇格インセンティブ〈PPI〉、戦力均衡ラウンド〈CB〉など)が挿入されます。
これらの補償ピックは、レギュラーシーズン成績とは無関係に、MLBの制度に基づいて特定の順位に割り当てられる指名権のため、指名順全体をさらに複雑に見せる要因となっています。
👇補償ピックの仕組みや詳しい条件については、別記事で詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
こうして確定した指名順をもとに、2026年MLBドラフトで、ロッタリー枠を獲得した各球団が
どの選手を指名するのか注目してみてみましょう。


