2025年のMLBドラフトが2025年7月14日、15日(日本時間)にかけて行われました。
今年のドラフトも高校・大学の有望選手たちが勢揃いし、注目の逸材や話題の息子世代が上位指名されるなど、見どころ満載の展開となりました。
この記事では、全体1巡目(1位〜43位)の指名結果を一覧表で紹介するとともに、注目の選手たちの動向もピックアップ。さらに、日本人選手・武元一輝の指名なども交え、今後の契約交渉に注目すべきポイントをまとめてお伝えします。
2025年MLBドラフト1巡目|全体1位〜10位の指名一欄
2025年のMLBドラフト、注目の全体1位から10位までの指名結果です。
今年は即戦力の投手や注目の高校生打者などが上位に並びました。特にナショナルズが指名したW.ウィリッツは、前評判通りの実力者として注目を集めています。
💡金額は概算で百万ドル単位($1M=100万ドル)に切り上げて表記しています。
順位 | チーム | 選手名 | 契約金/スロット額 |
---|---|---|---|
1 | ナショナルズ | E.ウィリッツ | $8.2M/$11.08M |
2 | エンゼルス | T.ブレムナー | $7.69M/$10.25M |
3 | マリナーズ | K.アンダーソン | $8.8M/$9.50M |
4 | ロッキーズ | E.ホリデイ | $9.0M/$8.77M |
5 | カージナルズ | L.ドイル | $7.25M/$8.13M |
6 | パイレーツ | S.ヘルナンデス | $7.25M/$7.56M |
7 | マーリンズ | A.アーケット | $7.15M/$7.15M |
8 | ブルージェイズ | J.パーカー | $6.20M/$6.81M |
9 | レッズ | S.ホール | $5.75M/$6.51M |
10 | ホワイトソックス | B.カールソン | $6.24M/$6.24M |
💡スロット額とは?MLBがドラフト指名順位ごとに定めている「契約金の目安額」のこと。チームごとに与えられた総額(ボーナスプール)の中でやりくりします。
🍀注目➀:全体1位指名は、17歳の高校生!
全体1位指名権を持っていたナショナルズが選んだのは、フォート・カッブ=ブロクストン高校の遊撃手、イーライ・ウィリッツ選手。
わずか17歳216日という若さでの1位指名は、MLBドラフト史上3番目の若さという快挙となりました。
なお、父のレジー・ウィリッツさんは、かつてエンゼルスでプレーしていた元メジャーリーガーで、親子2代にわたる夢の舞台入りにも注目が集まります。
🍀注目②:イーサン・ホリデイは全体4位で指名|高校生最高額の契約金で合意へ
ロッキーズは、球団レジェンド、マット・ホリデイ氏の次男であるイーサン・ホリデイ内野手(オクラホマ州スティルウォーター高校)を全体4位で指名しました。
イーサンはドラフト前から全体1位評価を受けており、ナショナルズが指名するとの見方もありましたが、ナショナルズはイーライ・ウィリッツ遊撃手を1位で指名。
続いて、エンゼルスが2位でタイラー・ブレムナー、マリナーズが3位でケイド・アンダーソンを選び、ロッキーズは狙い通りにイーサンを獲得しました。
イーサン・ホリデイは、すでにメジャーでプレーする兄ジャクソン・ホリデイ(2022年全体1位、オリオールズ)に続く注目の存在。
7月23日(日本時間)には、ロッキーズと900万ドル(約14億円)の契約金で合意したと報じられており、これは高校生選手としてはMLBドラフト史上最高額となります。
11位〜43位|中盤以降の注目指名一覧まとめ
全体11位から43位までは、実力派選手が続々と指名された注目のゾーンです。
この範囲には通常の指名に加えて、特別な「補償ピック」や「コンペティティブ・バランスピック」も含まれています。
これらは、FA流出や契約不成立に伴う補償枠、あるいは小規模球団を支援するために設けられた特別な指名枠で、各チームの戦略が色濃く表れるのが特徴です。
上位10位のスター候補とはひと味違う、将来の主力や隠れた逸材が潜んでいるセクションといえます。
💡金額は概算で百万ドル単位($1M=100万ドル)に切り上げて表記しています。
順位 | チーム | 選手名 | 契約金額/スロット額 |
---|---|---|---|
11 | アスレチックス | J.アーノルド | $5.99M/$5.99M |
12 | レンジャーズ | G.ファイン | $4.80M/$5.75M |
13 | ジャイアンツ | G.キレン | $5.25M/$5.52M |
14 | レイズ | D.ピアース | $4.31M/$5.31M |
15 | レッドソックス | K.ウィザースプーン | $5.00M/$5.11M |
16 | ツインズ | M.ヒューストン | $4.50M/$4.93M |
17 | カブス | E.コンラッド | $3.56M/$4.75M |
18 | ダイヤモンドバックス | K.カニングハム | $4.58M/$4.58M |
19 | オリオールズ | I.アイリッシュ | $4.42M/$4.42M |
20 | ブリュワーズ | A.フィッシャー | $3.50M/$4.27M |
21 | アストロズ | X.ネイエンズ | $4.12M/$4.12M |
22 | ブレーブス | T.ソウシゼン | $2.62M/$3.98M |
23 | ロイヤルズ | S.ギャンブル | $4.00M/$3.85M |
24 | タイガース | J.ヨースト | $3.25M/$3.73M |
25 | パドレス | K.スクールクラフト | $3.61M/$3.61M |
26 | フィリーズ | G.ウッド | $3.00M/$3.49M |
27 | ガーディアンズ | J.ラヴィオレット | $4.00M/$3.38M |
28(PPI) | ロイヤルズ | J.ハモンド | $3.20M/$3.28M |
29(1C) | ダイヤモンドバックス | P.フォーブス | $3.00M/$3.19M |
30(1C) | オリオールズ | C.ボーディン | $3.11M/$3.11M |
31(1C) | オリオールズ | W.アロイ | $3.04M/$3.04M |
32(1C) | ブリュワーズ | B.イーベル | $2.75M/$2.97M |
33(CB-A) | レッドソックス | M.フィリップス | $2.50M/$2.90M |
34(CB-A) | タイガース | M.オリヴェト | $2.45M/$2.83M |
35(CB-A) | マリナーズ | L.スティーブンソン | $2.80M/$2.76M |
36(CB-A) | ツインズ | R.クイック | $2.69M/$2.69M |
37(CB-A) | オリオールズ | S.デブラン | $4.00M/$2.63M |
38 | メッツ | M.ヴォイト | $1.75M/$2.57M |
39 | ヤンキース | D.キルビー | $2.80M/$2.51M |
40 | ドジャーズ | Z.ルート | $2.20M/$2.44M |
41 | ドジャーズ | C.ダヴァラン | $2.00M/$2.39M |
42(CB-A) | レイズ | B.サマーヒル | $2.00M/$2.33M |
43(CB-A) | マーリンズ | C.カナレラ | $2.28M/$2.28M |
※ PPI=FA流出や未契約に伴う補償ピック
※ 1C=1巡目終了直後に設けられる補償ピック
※ CB-A=小規模球団向けのコンペティティブ・バランスピック
👉 詳しい仕組みは MLBドラフト制度の解説記事 をご覧ください
※本記事の指名順位および契約情報は、MLB公式サイトを参考に作成しています。
🍀注目③:12位のギャビン・ファインは高校オールアメリカンゲームでMVP
レンジャーズが指名したのは、カリフォルニア州のグレートオーク高校の18歳のショートストップ
ギャビン・ファイン。
高校生ながらプラスの打撃力とパワー、両サイドの守備能力を兼ね備えた総合力の高い選手として、レンジャーズが高く評価。
2024年のU-18ワールドカップ予選では打率.400・OPS1.109の好成績を残し、MLBハイスクール・オールアメリカンゲームでもMVPを受賞。
「将来は中軸を打てる攻撃型遊撃手になる」との期待も大きく、レンジャーズ幹部も「勝てる選手の条件をすべて持っている」と太鼓判を押しています。
🍀注目④:32位はブレイディ・イーベル!契約の舞台はドジャースタジアム
ブリュワーズから全体32位指名を受けたのは、カリフォルニア州コロナ高校のブレイディ・イーベル内野手(17歳)。
父はドジャースの三塁コーチ、ディノ・イーベル氏で、契約はMLBならでは。ドジャースタジアムで行われました。
プロ入りか大学進学か注目されましたが、ブレイディはルイジアナステート大進学を辞退し、MLBの世界へ。名門校から育った野球一家から新たな物語が始まりますね。
📝注目!全体560位で、武元一輝がアスレチックスから指名!夢の舞台へ一歩前進
日本出身の二刀流選手武元一輝選手が、アスレチックスから19巡目(全体560位)で指名されました!
武元選手は、智弁和歌山高校を卒業後、ハワイ大学に進学。今季は投手として15試合に登板(防御率5.75)、野手としても45試合に出場し打率.256、OPS.653という成績を残していました。
ピッチャーとバッター、両方に挑む「二刀流」として頑張ってきた武元選手。日本のプロ野球を経由せず、直接メジャー球団入りを目指すという異例のルートを選んだその姿勢には、同じ日本人としても思わず応援したくなりますね。
ちなみに、日本人のMLBドラフト指名は、2023年にホワイトソックスが11巡目で指名した西田陸浮選手以来。アスレチックスには、桐朋高校出身でマイナー契約を結んだ森井翔太郎選手も在籍しており、今後の日本人選手たちの活躍にも注目が集まります!
まだまだマイナーからのスタートかもしれませんが、「夢はメジャー!」を掲げて一歩ずつ進んでいく姿、これからも追いかけたいですね。
今後の契約スケジュール
- 各球団は、7月29日(日本時間) 午前6時に指名選手と契約合意する必要があります。
- 大学卒業済み選手は、来年のドラフト1週間前まで契約可能です。
指名の背景や契約の仕組みを知ると、各球団の狙いや選手の動きがもっと面白く見えてきます。
ぜひ制度のポイントもあわせてチェックしてみてくださいね。
ドラフトの仕組みの記事は👇