2024年10月、ハリケーン「ミルトン」の影響で、レイズの本拠地トロピカーナフィールドが使用不可能となり、チームにとって大きな試練の年となりました。
これにより、2025年シーズンはヤンキースのマイナー施設「ジョージ・M・スタインブレナー・フィールド」を拠点に戦うこととなり、1年契約で新たな環境での戦いが続いています。
さらに、8月1日(日本時間)には、J.カバイェロ選手がヤンキースとの試合中にトレードで移籍したことが話題となり、チームにとって重要な選手を失う結果となりました。
8月3日(日本時間)現在、ア・リーグ東地区で4位、1位と10ゲーム差という厳しい状況に立たされているレイズ。今後の戦いについて、現在のチーム状況を深掘りしていきます。
仮本拠地「ジョージ・M・スタインブレナー・フィールド」
この施設は1996年に「レジェンドフィールド」としてオープンし、11,026人を収容できる施設です。2008年に現在の名前に変更され、タンパ国際空港のすぐ近くに位置しています。
レイズがこの施設を拠点にすることが決まると、3月のオープン戦最終日からヤンキースが去った直後の5日間で、施設内はレイズ仕様に整備されました。3000枚以上の看板が設置され、レイズのグランドキーパーもヤンキースのホームゲームに参加し、雨天時の対応などを経験しました。
フィールドのセンター後方には「RAYSUP」のスローガンが掲げられ、その下には「サンキューヤンキース」とのメッセージも書かれており、両チームの協力関係が感じられる場所となっています。
レイズのこれまでの成績
これまで、
リーグ優勝2回
地区優勝4回を達成しています。
しかし、ワールドシリーズの優勝はまだ達成されていません。
それでも、レイズは常に強いチームを作り上げ、ポストシーズン進出を果たす機会を得てきました。
- 2018年: 90勝72敗(3位)
- 2019年: 96勝66敗(2位、ポストシーズン進出)
- 2020年: 40勝20敗(1位、ポストシーズン進出)
- 2021年: 100勝62敗(1位、ポストシーズン進出)
- 2022年: 86勝76敗(3位、ポストシーズン進出)
- 2023年: 99勝63敗(2位、ポストシーズン進出)
- 2024年: 80勝82敗(4位)
キャッシュ監督の指導のもと、レイズは近年、安定した成績を残しており、特にポストシーズンへの進出は安定しています。今年も引き続き、監督の戦術がどのようにチームを成長させるかが注目されます。
ドジャースとの比較
MLB全体2025年8月2日(日本時間)現在
ドジャース | レイズ | |
---|---|---|
.255 → 4位タイ | 打率 | .253 → 8位 |
164 → 2位🥈 | 本塁打 | 118 → 16位 |
573 → 2位🥈 | 得点 | 505 → 11位 |
63 → 20位 | 盗塁 | 143 → 1位🥇 |
4.20 → 20位 | 防御率 | 3.90 → 15位 |
4.19 → 19位 | 先発 | 3.97 → 14位 |
4.22 → 20位 | リリーフ | 3.80 → 11位 |
レイズとドジャースを比較すると、得点はドジャースが上位に位置していますが、ホームラン数に50本もの差があるにもかかわらず、得点差はわずか70点程度です。
これは、レイズが圧倒的に多い盗塁を武器に、足を絡めた戦術で得点を重ねていることを示しています。
今季の注目選手:J.カミネロ
カミネロ選手は、メジャー3年目の22歳にして、すでにオールスターにも選出されるほどの才能を持つ注目選手です。
今年はホームランダービーにも出場し、さらなる注目を集めました。
2025年オールスターホームランダービー👇
準決勝ラウンドではわずか57秒で8本塁打で決勝ラウンド進出を決めました。
守備、打撃、パワーのすべてにおいて高い能力を発揮し、インタビューでは「自分の能力を発揮すれば、チームに貢献できる」と自信をのぞかせています。
今季、カミネロは本塁打27本(リーグ3位)、打点71(リーグ5位)を記録し、その打撃力はチームに欠かせない存在となっています。今後もレイズの中核を担う選手として、さらなる成長が期待されるカミネロ選手の活躍に注目です。2025年8月1日(日本時間)現在
チームを率いるケビン・キャッシュ監督
ケビン・キャッシュ監督は、現在メジャー11年目の47歳。
キャッシュ監督はその経験豊富な指導力で知られ、ア・リーグ最優秀監督に2度(2020年、2021年)選出された実力者です。
彼の戦術的アプローチは、レイズの成功に大きく貢献しており、特に「オープナー戦術」を初めて取り入れた監督としても有名。
監督としては、ブルージェイズ(2002〜2004)、レイズ(2005)レッドソックス(2007〜2008)、ヤンキース(2009)、アストロズ(2010)でキャッチャーとしての経験も積んだ後、2015年からレイズの監督に就任しました。
キャッシュ監督は、選手たちのポテンシャルを引き出す力を持ち、特に投手陣に対する独自のアプローチがチームの強化に貢献しています。
【トレード】ア・リーグ盗塁1位のカバイェロが、ヤンキースへ移籍
ア・リーグトップの盗塁数35を誇るホセ・カバイェロ選手が、8月1日(日本時間)にレイズからヤンキースへトレード移籍しました。
この日、レイズの遊撃手として敵地でプレーしたカバイェロ選手でしたが、約3時間の雨天中断後にトレードが成立し、ベンチで別れの挨拶を交わした後、そのままヤンキースのベンチへ移動しました。
移籍についてカバイェロは「新しいチームで全力を尽くす覚悟だ」と語り、ヤンキースでの新たな挑戦に意気込んでいます。
【トレード】大型三角トレードで獲得
7月31日(日本時間)レイズ、ドジャース、レッズとの間で合計3球団、6人が移る大型三角トレードを成立させました。
レッズから、ブライアン・ファンベル投手を獲得し
今季8勝を挙げた先発右腕ザック・リテル投手がレイズへ。
ドジャースから、傘下3Aのハンター・フェドゥシア捕手を獲得し、
今季5試合登板のポール・ジャーベイス投手と控えベン・ロートベット捕手がドジャースへ。
(レッズからマイナーの有望株アダム・セルウィノウスキ投手がドジャースへ)
さらに、8月1日(日本時間)には、ホワイトソックスからエイドリアン・ハウザー投手を
ツインズからリリーフグリフィン・ジャックス投手を獲得しました。
これに伴い、レイズは
ハウザーのトレードでカーティス・ミード内野手と、プロスペクトのダンカン・ダビット選手、ベンジャミン・ピープルズ選手がホワイトソックスへ
グリフィン・ジャックスとのトレードで右腕タージ・ブラッドリー投手がツインズへ移籍しています。
まとめ:レイズの今後の戦いに向けて
現在、レイズは厳しい状況にありますが、注目選手のカミネロ選手や監督キャッシュのリーダーシップで後半戦に挑みます。
トレードで加わった新戦力たちも、チーム活躍してくれそうですね。
特に、カバイェロ選手の移籍後、他の選手たちがその役割を引き継ぐことが求められています。
後半戦は、選手一人ひとりが力を合わせてポストシーズンに向けて、また来季に向けても今シーズンの戦いが大きなステップとなることを期待しながら、レイズの成長を見守っていきましょう。