2025年のシーズンも残り1ヶ月となってきましたが、サンディエゴ・パドレスはナ・リーグ首位争いに食い込む快進撃を見せています。
その背景には、歴史を大切にしたペトコ・パークの独自性、修道士を由来とするチーム文化、そして鉄壁のブルペン陣の存在があります。
本記事では、パドレスの球団名の由来やレジェンド選手、ファンとの一体感、そして今季の強さの理由をまとめてみました。
パドレス快進撃!歴史と文化に支えられたチームの魅力
ペトコ・パークの魅力と特徴
ペトコ・パークは、2004年に開場した収容42,445人のスタジアムです。
サンディエゴ湾にほど近い立地にあり、高層ビルが立ち並ぶダウンタウンの街並みに囲まれています。
まさに「都会の中の球場」として知られ、観客は野球とともにサンディエゴの街の雰囲気を同時に味わうことができます。
レフト側に残されたレンガ調の建物「ウエスタン・メタル・サプライ・ビルディング」は、1909年に建てられた金属加工メーカー本社を保存したもの。
その後解体も予定されていましたが、歴史的建造物に指定されたことで、球場もこのビルを中心に建設されました。ビルの角の黄色い線がファーボールとなるユニークな造りになっています。
この建物には、ショップやスイートルーム、バー、テラス席などがあり、他にはない観戦体験を演出しています。
Photo by hober, via Wikimedia Commons, CC BY-SA 2.0
さらに試合前には、伝導所の鐘をイメージして作られた「ミッションベル」が3回鳴らされ、地元有名人やファンがその役を担っています。
9回裏の1アウトごとにも鳴らされる鐘の音は、勝利への緊張感を一層高めてくれる特別な存在です。
チーム名「パドレス」の由来と文化
修道士が由来のチーム名とマスコット
スペイン語で修道士のことを「パドレ」と言います。
サンディエゴは、18世紀に修道士「フニペロ・セラ」が伝導所を築いたことを起点に発展し、その功績を称えて命名されました。
チームマスコット「スウィンギング・フライヤー」も修道士をモデルにしており、人々に奉仕する優しさと力強さを象徴しています。
シティコネクトユニフォームとファン文化
パドレスのシティコネクトユニフォームは、海のブルーと夕日のピンクやイエローを組み合わせた鮮やかなデザイン。
肩には、スウィンギング・フライヤーモチーフにしたロゴが入り、地元の文化やコミュニティを映し出しています。
👇2025年シーズンで、終了してしまうんですね。
試合では、ファンが「FOR THE FAITHFUL(信じてくれるファンのために)」と書かれた黄色いタオルを振り回す光景が印象的で、スタジアム全体が一体感に包まれています。
パドレスを支えたレジェンド選手
パドレスの歴史を語る上で欠かせないのが、トニー・グウィンとトレバー・ホフマン。
トニー・グウィン:20年間パドレス一筋
同日に行われた、バスケットボールのドラフトにも指名されるほどの二刀流アスリート!
野球を選んでからの活躍は、通算3141安打、首位打者8回。背番号19は永久欠番。
2007年に殿堂入りを果たしています。
唾液腺癌のため、54歳の若さで亡くなりました。
トレバー・ホフマン:パドレスの守護神
1993年にマーリンズから移籍し、2008年まで守護神として活躍しました。
史上初めての通算600セーブ達成!通算601セーブは歴代2位。
背番号51も永久欠番です。2018年に野球殿堂入りを果たしています。
サンディエゴ・パドレスのシーズン成績推移
近年の成績とポストシーズン進出状況
シーズン | 成績 | 順位 | ポストシーズン進出 |
---|---|---|---|
2006 | 88-74 | 1位 | ポストシーズン進出 |
2019 | 70-92 | 5位 | なし |
2020 | 37-23 | 2位 | ポストシーズン進出 |
2021 | 79-83 | 3位 | なし |
2022 | 89-73 | 2位 | ポストシーズン進出 |
2023 | 82-80 | 3位 | なし |
2024 | 93-69 | 2位 | ポストシーズン進出 |
2025年シーズン快進撃の理由
鉄壁ブルペン陣の防御率はナ・リーグ1位!
これまでワールドシリーズ制覇はないものの、リーグ優勝2回・地区優勝5回を記録しており、近年もポストシーズン常連の座を確立しつつあります。
特に2024年シーズンは93勝69敗で地区2位と躍進。そして2025年はブルペン陣の安定感を武器に、ナ・リーグ首位争いに食い込んでいます。
・防御率3.57はリーグ1位(MLB公式サイト)2025年8月26日(日本時間)現在
・リリーフ防御率2.98はメジャートップ(Covers.com)2025年8月26日(日本時間)現在
・終盤リード時の勝率は驚異的で、
6回終了時 51勝-4敗 (勝率.927)
7回終了時 62勝-4敗(勝率.939)
8回終了時 62勝-3敗(勝率.954)の鉄壁ぶり。(2025年8月24日(日本時間)現在)
個々のリリーフ陣も圧倒的な数字を残しています。
👇J.アダム(右腕・62試合 防御率1.57)*2025年8月24日(日本時間)現在
👇A.モレホン( 左腕・62試合 防御率1.81)*2025年8月24日(日本時間)現在
👇R.スアレス(34セーブでナ・リーグ1位)*2025年8月24日(日本時間)現在
有望株を放出してでも優勝を狙うトレード戦略
パドレスは有望株を惜しまずトレードで放出し、「今」の勝利に全力を注いでいます。
その結果、ファームシステムランキング(どれだけ有望株がいるか)は、メジャー30位と低迷しますが、それでも首位を狙うという執念の表れですね。
※トレードの詳細については別記事にまとめていますので、こちらをご覧ください👇
✅ まとめ:パドレス快進撃とファンとの一体感
パドレスの歴史的背景と、街とともに歩むチーム。
ペトコ・パークの独自性、シティコネクトの華やかさや修道士を象徴するマスコットと、ファンの熱狂が一体となり、今季の快進撃を後押ししています。
「信じてくれるファンのために」──その言葉通り、球団史上最大の挑戦に向かって突き進んでいるパドレス。
ドジャースを応援する身としては、パドレスが地区優勝を阻む強力なライバルであることに複雑さを覚えますが、このシリーズの行方をしっかりと見届けたいと思います。