2025年のメジャーリーグを代表する打者に贈られる「シルバースラッガー賞」の受賞者が発表されました。
ナショナル・リーグ(NL)の受賞者は、11月7日(日本時間)に、アメリカン・リーグ(AL)は翌8日に発表され、今年も各ポジションで名だたるスター選手たちが選出されています。
この記事では、2025年のシルバースラッガー賞 受賞者一覧(ア・リーグ/ナ・リーグ)と注目選手を紹介します。
シルバースラッガー賞とは
「シルバースラッガー賞」は、1977年にルイスビル・スラッガー社が創設した、メジャーリーグの打撃部門における栄誉ある賞です。
ナ・リーグとア・リーグのそれぞれで、最も優れた打撃成績を残した選手がポジション別に選出されます。
選考は、各チームの監督と3名のコーチによる投票で行われ、
自チーム以外の選手を対象に、OPS・打率・本塁打・打点・総合的な攻撃力などをもとに評価。
2022年からは、複数ポジションで打撃面でも貢献した選手を対象にした「ユーティリティ部門」が、2023年からはシーズンで最も打撃に貢献した「年間最優秀攻撃チーム部門」も新設されました。
守備の「ゴールドグラブ賞」と並び、MLBの攻守二大タイトルのひとつとされています。
シルバースラッガー賞 ファイナリスト一覧
ナ・リーグ
ア・リーグ
2025年 シルバースラッガー賞受賞者一覧
ナ・リーグ
11月7日(日本時間)にナ・リーグが発表されました。
打撃のベストナインとも称されるこの賞には、今季もリーグを代表する強打者たちが名を連ねています。
| ポジション | ナ・リーグ受賞者 |
|---|---|
| 指名打者 | 大谷翔平(LAD)④ |
| 捕手 | H.グッドマン(COL)初 |
| 一塁手 | P.アロンソ(NYM)初 |
| 二塁手 | K.マルテ(ARI)② |
| 三塁手 | M.マチャド(SD)③ |
| 遊撃手 | G.ペルドモ(ARI)初 |
| 外野手 | J.ソト(NYM)⑥ |
| C.キャロル(ARI)初 | |
| K.タッカー(CHC)② | |
| ユーティリティ | A.バーリソン(STL)初 |
※数字は受賞回数を示します。
ピックアップ:印象的な受賞選手
指名打者:大谷翔平 3年連続・通算4度目の受賞!
2年連続で「50本塁打&50盗塁」の快挙こそ逃したものの、大谷選手は今季も圧巻の打撃成績で歴史に名を刻みました。
55本塁打は、自身のキャリアハイかつ球団新記録!さらにメジャー最多の146得点をマーク。
長打率.622、OPS1.014(OPS+179)といずれもリーグトップに立ち、打撃指標のほとんどで他を圧倒しました。
これで3年連続・通算4度目のシルバースラッガー賞。
日本人選手としての最多記録を更新し、今季もMVP有力候補として注目を集めています。
外野手:J.ソト 6年連続・通算6度目の受賞!
26歳にして早くも6度目の受賞。
この記録は、あのトラウト選手やロドリゲス選手すら達成していない快挙です。
ソト選手は今季、43本塁打・38盗塁を記録し、メジャー最多の127四球で出塁率.421、OPS.921をマーク。
本塁打王争いにも絡みつつ、走攻守でチームをけん引しました。
また、これまでナショナルズ・パドレス・ヤンキース・メッツと4球団での受賞を達成しており、
これはMLB史でも極めて珍しいケースで、名実ともに最強打者の座を不動のものとしています。
外野手:C.キャロル 初受賞!
昨季は打率.231、OPS.750と不調でしたが、今季は完全復活を果たし、自身初のシルバースラッガー賞に輝きました。
キャロル選手は、打率.259、OPS.884を記録し、キャリア最多の31本塁打・32盗塁で球団史上初の「30-30」を達成!
さらに、リーグ最多の17三塁打を放ち、スピードと長打力を兼ね備えたチームの攻撃の流れをつくる存在として活躍しました。
球団としては2018年のD.ペラルタ以来の受賞となっています。
チーム部門:ドジャース(2年連続2度目)
2023年から始まったチーム部門では、ドジャースが2年連続で、ナ・リーグ「年間最優秀攻撃チーム」に選出されました。
得点825、本塁打244、四球580、OPS.768、塁打2415と、多くの主要指標でリーグトップを記録。
本塁打数はMLB史上でも3番目に多い数字でした。
中心となったのは、F.フリーマン、M.ベッツ、W.スミス、そして大谷翔平選手。
この強力ラインナップがシーズンを通じて安定した得点力を支え、チームを2年連続のワールドシリーズ連覇へと導きました。
ナ・リーグでは、ベテラン勢の安定感と若手の勢いが交じり合う充実の結果となりました。
大谷選手の4度目受賞を筆頭に、ソト選手やキャロル選手など多彩な打者が名を連ね、チーム部門では、ドジャースが2年連続で最優秀攻撃チームに選出されています。
ア・リーグ
ア・リーグの「シルバースラッガー賞」が11月9日(日本時間)に発表されました。
各ポジションで最も優れた打撃を見せた選手に贈られるこの賞には、
ルーキーからベテランまで個性豊かな強打者たちが名を連ねています。
| ポジション | ア・リーグ受賞者 |
|---|---|
| 指名打者 | G.スプリンガー(TOR)③ |
| 捕手 | C.ローリー(SEA)初 |
| 一塁手 | N.カーツ(OAK)初 |
| 二塁手 | J.チザムJr.(NYY)初 |
| 三塁手 | J.ラミレス(CLE)⑥ |
| 遊撃手 | B.ウィットJr.(KC)② |
| 外野手 | A.ジャッジ(NYY)⑤ |
| B.バクストン(MIN)初 | |
| R.グリーン(DET)初 | |
| ユーティリティ | Z.マッキンストリー(DET)初 |
| チーム | ヤンキース② |
※数字は受賞回数を示します。
ピックアップ:印象的な受賞選手
外野手:アーロン・ジャッジ(ヤンキース) 5度目の受賞!
今季のジャッジは、打率.331、53本塁打、114打点、OPS1.144という驚異的な成績を残し、自身初の首位打者に輝きました。
出塁率.457と長打率.688でもリーグを圧倒し、5度目のシルバースラッガー受賞は、D.ジーターやR.カノらと並ぶヤンキース史上最多タイに。
2025年のア・リーグMVP最有力として誰もが認めるシーズンとなりました。
捕手:カル・ローリー(マリナーズ) 初受賞!
捕手でありながら、シーズン60本塁打・125打点という異次元の打撃を披露し、マリナーズを24年ぶりの地区優勝に導いたローリー。
オールスター、ホームランダービーでも頂点に立ち、まさにすべてが噛み合った年でした。
パワーだけでなく勝負強さでもチームを引っ張り、MVP候補としても注目を集めています。
一塁手:ニック・カーツ(アスレチックス) 初受賞!
デビューイヤーから打率.290、36本塁打、OPS1.002と鮮烈な印象を残したカーツ。
400打席以上でOPS1.000を超えたのは、同じ受賞者の大谷翔平とA.ジャッジを含むわずか3人のみです。
低迷期のアスレチックスにとっては、久々の明るい話題をもたらし、チームに新たな希望を感じさせる受賞となりました。
チーム部門:ヤンキース(2度目)
2025年のヤンキースは、A.ジャッジを中心に、20本塁打以上を放った打者が7人も並び、どこからでも点が取れる強さを見せました。
チーム全体では849得点、274本塁打。
本塁打や長打率、OPSでもリーグトップを独走する圧倒的な記録で、チーム部門のシルバースラッガー賞は通算2度目となっています。
2025年のシルバースラッガー賞は、ルーキーからベテランまで、それぞれの活躍が光る結果となりました。
来季はどんな選手が打撃部門を盛り上げてくれるのか——
また新しい一年が、今から楽しみです。


