2025年のローリングス主催の「ゴールドグラブ賞」の受賞者が、11月3日(日本時間)に発表されました。
この賞は、守備において最も優れた選手を表彰するもので、メジャーリーグを代表する名手たちが選ばれています。
各リーグの各ポジションで、シーズンを通じて安定した守備を見せた選手たちが表彰の対象となり、監督・コーチによる投票と、SABR(アメリカ野球学会)の守備指標をもとに選出されました。
この記事では、2025年シーズンのア・リーグ/ナ・リーグ別の受賞者一覧を紹介します。
ゴールドグラブ賞とは
1957年にグラブメーカーのローリングス社が創設した、守備部門の表彰制度「ゴールドグラブ賞」。
ナ・リーグとア・リーグそれぞれの各ポジションで、最も優れた守備を見せた選手に贈られます。
近年の守備の多様化を反映し、2022年からは「ユーティリティ部門」も新設され、複数ポジションで高い守備力を発揮した選手が対象となっています。
選考は、各チームの監督と最大6人のコーチによる投票(全体の75%)、そして残り25%を占めるSABR(アメリカ野球学会)の守備指標データによって決定。
なお、自チームの選手に投票することはできません。
👇2025年ゴールドグラブ賞ファイナリスト一覧
2025年 受賞者一覧(ア・リーグ/ナ・リーグ)
※(初)は初受賞、数字は通算受賞回数を示しています。
| ポジション | ア・リーグ | チーム | ナ・リーグ | チーム |
|---|---|---|---|---|
| 投手 | M.フリード(4) | NYY | L.ウェブ(初) | SF |
| 捕手 | D.ディングラー(初) | DET | P.ベイリー(2) | SF |
| 一塁手 | T.フランス(初) | MIN/TOR | M.オルソン(3) | ATL |
| 二塁手 | M.セミエン(2) | TEX | N.ホーナー(2) | CHC |
| 三塁手 | M.ガルシア(初) | KC | K.ヘイズ(2) | PIT |
| 遊撃手 | B.ウィットJr.(2) | KC | M.ウィン(初) | STL |
| 左翼手 | S.クワン(4) | CLE | I.ハップ(4) | CHC |
| 中堅手 | C.ラファエラ(初) | BOS | P.Cアームストロング(初) | CHC |
| 右翼手 | W.アブレイユ(2) | BOS | F.タティスJr.(2) | SD |
| ユーティリティ | M.デュボン(2) | HOU | J.サノハ(初) | MIA |
※チーム略称の一覧や正式名称は 👉 MLBチーム略称一覧 にまとめています。
🟦 注目選手をピックアップ
今シーズンのゴールドグラブ賞は、チームプレーとしての守備力が際立ちました。
ア・リーグではロイヤルズのM.ガルシアとB.ウィットJr.が三遊間コンビでそろって受賞。
同じチームからこのポジションのダブル受賞は、12年ぶりです。
25歳の若い二人が魅せた華麗な守備は、今シーズンのロイヤルズを象徴していました。
一方ナ・リーグでは、ジャイアンツの投手L.ウェブと捕手P.ベイリーのバッテリーが、そろって受賞しました。
同じチームの投手と捕手が選ばれるのは珍しく、それだけ守りの安定感があったということですね。
また、ガーディアンズのS.クワンは、デビューから4年連続の受賞。
安定感のある守備と判断力の良さは、チームにとってなくてはならない存在となっています。
🟦 歴代の守備名手たち
1957年に創設されたゴールドグラブ賞は、長い歴史の中で数々の名手たちを輩出してきました。
中でも、ナ・リーグの投手G.マダックスは通算18回の受賞で歴代最多記録を保持。
ア・リーグの三塁手B.ロビンソンは、16回の受賞と16年連続受賞という驚異的な記録を残しています。
そして日本人選手として歴史に名を刻んだのが、イチローさんです。
2001年のメジャーデビューから10年連続でゴールドグラブ賞を受賞し、
広い守備範囲と正確な捕球、そして強肩でランナーを刺すプレーの数々で、
まさに「日本人野手のイメージを覆した選手」といえるでしょう。
2025年現在、この“歴代記録”に名を連ねる現役選手はN.アレナド(STL)ただ一人。
三塁手として10年連続受賞を続け、今なおメジャーでも屈指の安定した守備を見せる選手として知られています。
イチローさんをはじめ、時代を超えて語り継がれる守備の名手たち。
彼らが築いてきた記録の上に、今の選手たちがどんなプレーを見せてくれるのか──
それもまた、ゴールドグラブ賞の大きな魅力のひとつです。。
まとめ
ゴールドグラブ賞は、記録だけでなく“守備の美しさ”を伝えてくれる特別な賞。
2025年の受賞者たちが見せた守備は、きっとファンの記憶にも残るはずです。
来シーズンも、それぞれのチームで光る守備に注目しながら観戦を楽しみたいと思います。


